腐女子なのでBLゲームの脇役に転生したのに、なぜか主人公もろとも巻き込んだ逆ハー展開が始まって鬱です!


菜花は聖翔も受かってはいる――

彼は確かにそう言った。


(どういうこと……?)

私の記憶が正しければ、聖翔高校は由緒正しき男子校の名門校だったはず。

その学校に(生物学上は)女子であるはずのあたしが入学を許可されている状況とは一体――。

先を急ぐと言っていたことも忘れて、あたしは結局その場に立ち尽くしてしまっていた。
前世との認識の不一致に、ただ呆然として。

「そうなのか?なんだか在校生からするとそれも全然慣れなくて、いまだに妙な感覚なんだよな~」

「そうですよね。ずっと男子ばかりの学校生活だったわけだし。この春からですよね?」

「そうそう。まさかウチの高等部が共学化するとは思いもしなかったって皆話してるよ」


言葉に詰まるあたしに気付く素振りもなく、その場の二人の口から飛び出たのはそんなセリフだ。


(――共学化?)

しかも、この春――あたしたちの高校進学の年に合わせてだ。

(おかしい。絶対そんな展開、ゲームでは無かったのに)

これも、あたしの転生が引き起こした改変のひとつなのだろうか。
むしろ、そうとしか考えられない。

しかし、ここまで大きく変わってしまうと、この先のストーリーにも色々と影響が出てきてしまうのではなかろうかと一抹の不安がよぎる。

このままでは、あたしの“既知”という唯一のアドバンテージが意味を成さなくなってしまいそうだ。


(でも――)

考え方によっては、これはラッキーとも言えるかもしれない。
だってあたしは、推したちの一番近くの特等席で、彼らが紡ぎ出す禁忌の交流を高みの見物と洒落込みたかったわけなのだから。


(そうよね。これは好機だわ)

そう思考を切り替えたあたしは、すぐに行動を実行に移す。

「夕璃。あたし、春からもあなたと一緒に聖翔に通うことにする」

「え……ええええっ!?」

「~♪」

あたしの突然の表明を受けて、ただでさえ大きな瞳をこれでもかというほど大きく見開いた夕璃。

さらにその向かいで器用な口笛を披露する政臣を横目に捉えながら、あたしは改めて決意は固いと深く頷いて見せた。

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