腐女子なのでBLゲームの脇役に転生したのに、なぜか主人公もろとも巻き込んだ逆ハー展開が始まって鬱です!

その後。

「お前らの入学、楽しみに待ってるぜ」そう言って軽やかに笑う政臣と別れ、あたしと夕璃は無事に登校を終えた。

ちなみに当然、遅刻である。


「は?進学先を変える?」

「はい、先生。あたし、天鳳院高校ではなく、聖翔高校に通います!」

「……。おい瑞波。佐々宮は一体どうしたんだ?何か変なもんでも食ったのか?」

授業が終わり、あたし達がやって来たのは職員室だ。
向かいには、その呼び出しを行った張本人である担任教師が腕を組み、呆れたような眼差しで椅子に腰かけている。


「それが……僕にもよくわからないんですけど、とにかく意思は固いみたいで……」

「ふむ……。おい佐々宮。お前、研究はどうした?天鳳院一択だったお前に私が聖翔の受験を勧めた時、あんなに無意味だと渋っていたと思うのだが」


(そう、なのか……?)

そう言われても、あたしにはイマイチ、その過去のやり取りがピンとこないので反応に困る。

「えっ!聖翔受験って先生が勧めてくださってたんですね!僕が会話に出しても取り付く島なしって感じで……」

「佐々宮は成績こそ文句なしの秀才だが、どうも研究に一本筋過ぎるところがあったからなあ。
聖翔は自由でのびのびとした校風で、先生たちの評判も良かった。共学化すると聞いて、佐々宮の視野を広げる環境としては悪くないと思ったんだが」

遅刻へのお説教という名目での呼び出しだったにもかかわらず、いつの間にかあたしの進学先変更の話題でジャックしてしまっていた。

それに加えて、以前のあたしがとっていたという相変わらずの夕璃への塩対応ぶりに何度目かの罪悪感を覚える。

(夕璃、ごめんよう……)

先生と聖翔に関する雑談を交わしている彼をちらりと見やり、またしても心の中で謝罪を述べた。


「念のため聞いておくが、どういう風の吹き回しだ?
私が言うのもおかしな話だが、お前の大好きな研究の道を究めるのなら、天鳳院の方が適している環境ではあると思うぞ?もちろん、聖翔だとできないというわけではないが」

「えーと。貴重な学生生活を……その、もっと有意義に使いたいなと思ったんです。研究も良いんですけど、確かに自分の視野の狭さは痛感していて、えーと」

元々のあたしは正直勉強なんて人並み程度にもできなかったし、こういう時にパッと説得力のある説明を瞬時にできないのは、きっと前世のあたしの義務教育の敗北だ。

それでも、決意を曲げる気はさらさら無かった。
まだ両親に話したわけでもないけれど、それだけは揺るがない。


あたしは絶対に、夕璃と同じ学校に通う。
そして今度こそ、推しの幸せを見届ける。

それだけは譲れなかった。

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