夜の月
しばらくなんぱ男が去っていった方向を見ていたら、
「おい」
?
「おい」
と、また聞こえてきたため声がしたほうに顔を向け、
「...?」
その男を見ながら首をかしげた。
「こんな所で何やってんだ」
そう言いながら男が、訝しげな顔をしながら聞いてきた。
「...えっと、、」
なんと答えていいか分からず、思わず目を逸らした。
「こんな所にいねえで早く帰れ。お前みたいなのが来るところじゃない。」
っ、
確かにそうだ。
私みたいなのが来るような場所ではない。
そんなことは、分かっているのに、
「....。」
何も言葉に出すことができず、
ただじっと地面にうつる自分の足を見ていたら、
「はぁ、」
呆れから出たのか、男が溜息をはいた。
それが気になり男に視線を戻すと、
パチッ
男がこちらをじっと見ていて、目が合ってしまった。
っ、!
「こい」
グイッ
「え、?」
突然腕を掴まれ、引きずられるように歩かされる。
突然のことに驚きながらも何とか声に出して、男に歩みを止めてもらおうと声を出していたが、
「あ、あのっ!」
何度呼びかけてもその男は、こちらを見ないでその長い足を大股で歩いている。
聞こえているのか聞こえていないのか、
その大きな背中からはわからない。
だけど正直、今の私にはすごく辛い。
男が歩くのが早すぎて、
着いてくのがやっとだったが、
ついに、私の身体に限界がきてその場で意識を失った。
その時、
----「おいっ!」
意識の遠くから焦ったような男の声が聞こえたのを最後に、完全に暗闇の中に引き込まれた。