優しい雨が降る夜は
美空がタクシーの中で光太郎に連絡し、到着した二人を光太郎が出迎えた。

「そら、つきちゃんも。悪いね、わざわざ来てもらって」
「いいえ。それより雨宮さんは!?」
「とりあえず寝室に寝かせたところ。熱がかなり高い。ひと晩ゆっくり寝かせて、明日病院に連れて行こうかと思って」
「でしたら、私にやらせてください」

美月は光太郎に訴える。

「私のせいなんです。夕べ雨宮さんは私をマンションまで送ってくださって、きちんと身体を休められなかったから」
「いや、単に働きすぎだったからだと思うよ。あいつここのところ、色んな案件抱えて忙しそうだったから」
「それなら尚更、寝不足の状態でお仕事に行かせてしまった私が悪いのです。お願いします、どうか私に看病させてください」
「それはいいけど……。逆につきちゃんが倒れたりしない?」
「しません! 丈夫なだけが取り柄ですし、仕事も明日から2連休なんです」

でも……、と光太郎は、尋ねるように美空に視線を移した。

「こうちゃん、お姉ちゃんにやらせてあげて。その方がお姉ちゃんも嬉しいから」
「そうか、分かった。じゃあお願いするよ、つきちゃん。なにかあったらいつでも連絡して。優吾の仕事は、俺が代わりにこなしておく」

美月はしっかりと頷いてみせる。

「はい、ありがとうございます」
「それじゃあ、よろしく」

二人を見送ると、美月は急いで寝室に向かった。
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