記憶の欠片
 私と明日香ちゃんは少し離れたところで、献くんと日菜咲さんのやり取りを見ていた。


「なんか…いい感じじゃない、あの二人?」


 明日香ちゃんが小声で言う。

 目がキラキラしていて、どこか楽しそうだ。


「うん…確かに。幼なじみって感じだね。日菜咲さん、結構積極的だなぁ」


 私は少し顔をほころばせながら答える。

 献くんが少し照れたように笑うのも、なんだか可愛く見えた。


「献くん、ちょっと押され気味だよね。いつもならもっとおどけてるのに」


 明日香ちゃんは興味津々で続ける。


「そうだね、でも、なんか…いい雰囲気だなぁ。二人とも楽しそう」


 私も思わず頷く。

 普段とは違う、ほんの少し大人っぽい献くんの顔に、少しドキッとする。


「こういう関係って、見てるだけでほっこりするよね」


 明日香ちゃんは微笑み、そっと私の肩に肘をつく。

 二人のやり取りを見ながら、私たちは静かに笑った。

 どこか柔らかい空気が流れ、冬の冷たい空気の中でも、心が温かくなるのを感じた。
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