記憶の欠片
気づけば、甲高いチャイムの音が教室に響いた。
ざわついていた空気が一斉に引き締まり、先生が教室に入ってくる。
簡単な自己紹介。
淡々と進む時間に、さっきまでの胸のざわめきが嘘みたいに遠のいていく……はずだった。
「じゃあ次、委員会と係を決めるぞ」
黒板に委員会の名前が書き出されていくのを、ぼんやり眺める。
何かに集中したかった。
考える隙を、少しでも埋めたかった。
——生活委員。
気づけば、私は手を挙げていた。
静かだけど、ちゃんと前を向けそうな委員会。
今の私には、それがちょうどいい気がした。
「他に立候補は?」
一瞬の沈黙。
「はい」
その声に、心臓が跳ねる。
横を見るまでもなく分かった。
慧くんだった。
「……月城もか。じゃあ二人で決定だな」
先生のその一言で、教室が少しだけざわつく。
私は驚きと戸惑いで、ただ前を向いたまま動けなかった。
なんで。
どうして、ここでも。
ちらりと視線を向けると、慧くんは何事もなかったみたいに前を見ている。
でも、その横顔はどこか決意めいた色を帯びていて。
——分からない。
慧くんが何を考えているのか。
私と同じ委員になって、何をしたいのか。
距離を取ろうとしている私と、距離を縮めようとする彼。
新しいクラス、新しい立場。
なのに、私たちの関係だけが、去年の続きみたいに絡まったままで。
私はまた、胸の奥に小さな不安と戸惑いを抱え込んだ。
ざわついていた空気が一斉に引き締まり、先生が教室に入ってくる。
簡単な自己紹介。
淡々と進む時間に、さっきまでの胸のざわめきが嘘みたいに遠のいていく……はずだった。
「じゃあ次、委員会と係を決めるぞ」
黒板に委員会の名前が書き出されていくのを、ぼんやり眺める。
何かに集中したかった。
考える隙を、少しでも埋めたかった。
——生活委員。
気づけば、私は手を挙げていた。
静かだけど、ちゃんと前を向けそうな委員会。
今の私には、それがちょうどいい気がした。
「他に立候補は?」
一瞬の沈黙。
「はい」
その声に、心臓が跳ねる。
横を見るまでもなく分かった。
慧くんだった。
「……月城もか。じゃあ二人で決定だな」
先生のその一言で、教室が少しだけざわつく。
私は驚きと戸惑いで、ただ前を向いたまま動けなかった。
なんで。
どうして、ここでも。
ちらりと視線を向けると、慧くんは何事もなかったみたいに前を見ている。
でも、その横顔はどこか決意めいた色を帯びていて。
——分からない。
慧くんが何を考えているのか。
私と同じ委員になって、何をしたいのか。
距離を取ろうとしている私と、距離を縮めようとする彼。
新しいクラス、新しい立場。
なのに、私たちの関係だけが、去年の続きみたいに絡まったままで。
私はまた、胸の奥に小さな不安と戸惑いを抱え込んだ。