記憶の欠片
最終章【明けの明星】

もう一度願う

 時は経ち、九月半ば。

 夏の暑さはまだ肌に残り、日差しは少し強く、空気には海の匂いが混じっていた。

 学校では来週に控えた校外学習の話題で持ちきりだ。

 二年生になって初めての一泊二日の自由行動行事。

 班ごとに計画を立てて街を回り、夕方には海の近くのキャンプ場に向かう——そんなワクワクする旅だ。

 私たちは五人で班を作った。

 慧くん、三湊くん、献くん、明日香ちゃん、そして私。

 クラスの中でも仲のいいメンバーで、自然と笑顔がこぼれる。

 廊下の片隅で地図を広げ、どこを回るか相談を始めた。

 「まず、街を歩きながら色々見て回ろうよ」と三湊くん。

 地元の名所や食べ歩きもできるし、写真もたくさん撮れそうだ。

 「そうだね、夕方には海に行きたいから、それまでにゆっくり回れる場所を考えよう」と明日香ちゃん。

 メモ帳に地図と予定を書き込みながら、私たちは話し合いを進める。

 慧くんは少し真剣な表情で言う。


「海沿いのキャンプ場に着いたら、テント設営とかもあるから、時間に余裕を持って動こう」


 献くんも強く頷く。


「夜は星を見ながら話せるといいな」


 そう言いながら、彼は少し夢見がちな笑みを浮かべた。

 話し合いは自然と盛り上がり、笑い声が絶えない。

 みんなで意見を出し合って、最終的に街を見て回り、夕方には海の近いキャンプ場へ向かうプランに決まった。

 私の胸は期待で高鳴る。

 この班で過ごす時間が、きっと特別な思い出になる——そんな予感がしていた。


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