記憶の欠片
「……愛梨ちゃん、あの日からずっと学校に来なくて……」
声が震えて、途中で言葉が途切れた。
喉の奥がきゅっと締め付けられて、息がうまくできない。
「私……ずっと後悔してたの」
視界が滲む。
ベッドの白いシーツに、ぽたっと涙が落ちた。
「本当に、ごめんなさい……」
あの時、信じきれなかったこと。
怖くて、一歩踏み出すのが遅れたこと。
助けを求めていたサインに、気づいていながら目を逸らしたこと。
全部、全部。
私は顔を伏せたまま、嗚咽を噛み殺していた。
すると、かすかに布が擦れる音がして、次の瞬間、あたたかい感触が私の肩に触れた。
「……明日香ちゃん」
弱々しい、でも確かに愛梨ちゃんの声。
「私ね……ずっと一人だって思ってた」
胸が、ぎゅっと掴まれる。
「でも、今こうして明日香ちゃんが泣いてくれてるの見て……私、ちゃんと大切にされてたんだって、分かった」
「愛梨ちゃん……っ」
私は耐えきれず、彼女の身体に縋りついた。
細くて、あの日よりずっと軽くなった気がして、また涙が溢れる。
「私、嫌われたって、信じられなくなって……逃げてた」
「でも……もう逃げない」
愛梨ちゃんの腕が、ぎこちなく私の背中に回る。
力は弱いのに、その温もりが、何よりも確かだった。
「明日香ちゃん」
「私たち、ちゃんと話そう。これからは……一緒に」
「……うん」
保健室には、静かな午後の光が差し込んでいる。
カーテンが揺れて、消毒薬の匂いがふわりと漂う。
私たちは言葉を失ったまま、しばらく泣き続けた。
取り戻せなかった時間の分まで。
すれ違ってしまった気持ちの分まで。
声が震えて、途中で言葉が途切れた。
喉の奥がきゅっと締め付けられて、息がうまくできない。
「私……ずっと後悔してたの」
視界が滲む。
ベッドの白いシーツに、ぽたっと涙が落ちた。
「本当に、ごめんなさい……」
あの時、信じきれなかったこと。
怖くて、一歩踏み出すのが遅れたこと。
助けを求めていたサインに、気づいていながら目を逸らしたこと。
全部、全部。
私は顔を伏せたまま、嗚咽を噛み殺していた。
すると、かすかに布が擦れる音がして、次の瞬間、あたたかい感触が私の肩に触れた。
「……明日香ちゃん」
弱々しい、でも確かに愛梨ちゃんの声。
「私ね……ずっと一人だって思ってた」
胸が、ぎゅっと掴まれる。
「でも、今こうして明日香ちゃんが泣いてくれてるの見て……私、ちゃんと大切にされてたんだって、分かった」
「愛梨ちゃん……っ」
私は耐えきれず、彼女の身体に縋りついた。
細くて、あの日よりずっと軽くなった気がして、また涙が溢れる。
「私、嫌われたって、信じられなくなって……逃げてた」
「でも……もう逃げない」
愛梨ちゃんの腕が、ぎこちなく私の背中に回る。
力は弱いのに、その温もりが、何よりも確かだった。
「明日香ちゃん」
「私たち、ちゃんと話そう。これからは……一緒に」
「……うん」
保健室には、静かな午後の光が差し込んでいる。
カーテンが揺れて、消毒薬の匂いがふわりと漂う。
私たちは言葉を失ったまま、しばらく泣き続けた。
取り戻せなかった時間の分まで。
すれ違ってしまった気持ちの分まで。