記憶の欠片
第四章【夜が明ければ月は霞む】

ホワイトクリスマス

 鈴の音が街に響きわたり、雪が世界を白く染めている。

 イルミネーションの光が、降り積もる雪に反射して、街全体がきらきらと瞬いていた。

 私の右手に触れる、確かな温もり。

 それは、慧くんのものだ。

 手袋越しでも分かる。

 少し不器用で、でも迷いのないその手が、私を現実に繋ぎ止めている。

 今日、十二月二十四日。

 私は…好きな人と、光に包まれた街で、同じ時間を過ごしていた。

 笑い声、流れる音楽、遠くで鳴る鈴の音。

 そのすべてが、夢みたいで。

 ——この時間が、ずっと続けばいいのに、なんて思ってしまう。


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