お抹茶王子にキョーミないですっ!
「ね、ね、どういうことなわけ!?」


 帰り道、鼻息あらく言うのはマヨだ。訊ねる内容はもちろんこれ。

「なんで龍崎先輩がスズのホクロのこと知ってたの!?」


「なんでって言われても、わたしにもわかんないよ」

「うそ。ほんとは知り合いなんじゃないの?」
「ないってば」

「親友に隠し事はなしだよ!?」
「だから本当だってば」

「じゃあなんで!」
「だからわかんないって」

 ちぎれるんじゃないかってほど腕をぶんぶんされてもわからんもんはわからん。


「まずあんなキレイな人と知り合いだったら忘れるわけないよ」

「お。スズでもそんな風に思うんだ!」

 失礼言ってくれる。

「思うよ。そのくらい普通に」
「じゃあドキドキしたでしょ」
「へえ?」

 ドキドキ? どうして。

「だって手、握られたわけだよ!?」

 自分で言っておいて「キャー」とかって騒ぐのなに。


「いや、べつになんとも」

「……へ」


 な、なな、なんで? と驚かれても困る。


「どんな感触だった?」
「普通の手だよ」

「大きかった?」
「見た目通りでしょ」

「力は」
「普通」


 ちゃんと答えてるのに「もう!」とはたかれた。なんでよ。

 マヨは「もーええわ」となぜか関西弁みたいな発音で言って話題を変えた。

< 12 / 22 >

この作品をシェア

pagetop