お抹茶王子にキョーミないですっ!
 ある。たしかにある。

 ちょうど先輩と同じ位置に。


 あるけど。
 なんで?


千菊(せんぎく)くん。新入部員への説明は(わたくし)がいたしますので」


 宇治原さんのお姉さんが現れて龍崎先輩は「ああハイハイ」と微笑んで場を譲る。

 去り際に「これ以上減らさないでよね?」と笑顔でたしなめるように釘をさしていった。


 ほう……。な、なんだったんだろう、今の先輩の行動は……。

 思う間に宇治原さんのお姉さんから部活の説明が始まっていた。


「副部長の三年、宇治原 さつきです」

 茶道部の活動は基本的には週に二度。火曜と金曜の放課後に行われる。顧問は二年の国語の先生。だけど普段の部活にはほとんど顔を出さないんだそう。


「月に一度、第2金曜には外部の先生に来ていただいてご指導を受けております」


 その『外部の先生』というのはほかでもない、龍崎先輩のお母さんなんだそう。うわお。


「この部室は基本的には茶道部専用となっていますので、部活動の日以外でも自主練などで使用することは可能です。鍵は顧問の先生に────」


 さつき先輩の説明を聞きながら、なんだかもう後戻りはできないような気がしていた。


 西尾 スズ。
 中学一年。


 運命に逆らえず『茶道部』に、入部!


 パンパカパーン!
 パチパチパチ~! ……じゃないっ!


 まったくもう、一体どうしてこんなことに!?

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