お抹茶王子にキョーミないですっ!
 だけどいつの間にか、そんなことももうすっかり忘れてたんだ。


 今日までは。


 ──ここのところにホクロがあるんじゃない?


 でもなんで?
 だって龍崎先輩は……。


 男の人、だよね?



「スズおかえり。どうだった? 入学二日目の中学校は」


 帰るとお母さんがお昼ご飯の支度をしていた。


「あ、うん」

「吹奏楽部、入れた? 楽器決まった?」


 そうか、そうするつもりって話してたんだった。


「うーんと。いろいろあって。やっぱり茶道部に入ることになったんだよね」


 カバンを置きながら答えると、お母さんは「へえ」と目を丸くした。


「じゃあ千菊(せんぎく)くんと会ったんだ?」

 え……?


 懐かしいよね。
 大きくなってたでしょう?
 (おぼ)えててもらえた?


 ま、待って待って。
 プリーズ、ウエイト、マイマーザァ!


「お……お母さん、龍崎先輩のこと、なんで知ってるの!?」


 震える声で訊ねると、お母さんは「はあ?」と首を傾げた。

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