想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜
 思わず立ち上がった私を、凱斗さんが信じられないものでも見るような顔をしている。

 完璧にフリーズしてしまった凱斗さんの顔を上から覗き込んだ。

「……凱斗さん?」

「今、なんて?」

「凱斗さんのことを好きになってしまいました。……ごめんなさい」

「……なんで謝るんだ?」

「なんでって」

 凱斗さん、自分の言ったことを覚えてないの?

「私と結婚しようと思ったのは、私が凱斗さんのことを絶対に好きにならないって思ったからですよね? それなのに、好きになっちゃったから……」

 自分で言っていて、涙が出そうになる。

「……私達はもう、別れないといけないですよね?」

 溢れてきた涙を拭おうとした右手を、立ち上がった凱斗さんに捕まれた。

「俺は……別れないよ、絶対」

「へ?」

「好きなんだ、蒼羽のことが。婚約者だって嘘をついたあの時から。いや、それよりもっと前から」

 どういうこと?

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