想いはいつか、本物になる。〜契約結婚脱出までの私たちの365日〜
「俺のことは苦手だって言ってたし、好きになってもらえるなんて到底思えなかった。先に結婚してしまえば、蒼羽の気持ちもいつか俺に向いてくれるんじゃないかって。俺が頑張れば、いつか好きになってもらえるんじゃないかって思って、それで……」

 私の手は掴んだまま、凱斗さんは反対の手で自分の顔を覆う。

「何やってるんだ俺。かっこ悪い……」

 顔を隠したままの凱斗さんの手をそっとどける。

「そんなことない。凱斗さんは優しくて、思いやりがあって、一生懸命で、誰よりも素敵な旦那さまです」

 二人両手を繋いだまま、視線を合わせる。やっと凱斗さんと正面から向き合うことができた。


「大好きです、凱斗さん」

「俺も、この世の誰よりも蒼羽のことが好きだ」


 まるで引き合うように、二人の距離が近づく。

 二人を隔てるものはなくなり、そのままキスをした。

 凱斗さんの手が、背中に回る。

 ぴったりと抱き寄せられ、私も彼の背に手を回す。

 ゆっくりと顔を話すと、凱斗さんがなにか言いたげな、でも言いにくそうな顔で私を見ていた。

「あのさ、蒼羽」
「……はい?」

 私をぎゅっと抱き寄せ、胸の中に閉じ込めて凱斗さんが言う。

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