敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
本当は、ずっと前から気付いていた。
認めたくなかっただけだ。
他の女を抱く気になれなかったのも、この感情の正体に、薄々気付いていたからだ。
その熱に焼かれながら、ようやく理解した。
抱きしめる腕に、自然と力がこもる。
――これから、私はどうすればいい……?
かつてユリアを探るため、クリックに話を聞いた。
だが彼は、決して力のことを口にしなかった。
それでも――
あの火事の夜、ブレスレットの少年を救ったのがユリアであること。
侍女の背中の傷を見た時点で、ほぼ確信していた。
すべてが――
遅すぎるほど、はっきりと繋がった。
ユリアは、力を持っていた。
その事実に、胸の奥が強く揺れた。
だが同時に――あの父の姿を思い出せば、隠した理由も分かる。
力を持つ娘を、あの男が手放すはずがない。
ユリアは、さっき全てを話そうとしてくれていた。
だが、できなかった。
実の父に襲われ、その父を目の前で失った直後に、さらに傷を抉るようなことを、口にできるはずがない。
ユリアの本心は、まだ分からない。
それでも――
守らなければならないものが、ここにある。
だが、それをどう守るべきか――
その答えを、エルフナルドはまだ持っていなかった。
抱きしめた腕の中で、ユリアの微かな鼓動が伝わる。
その温かさが、深く胸に染み渡る。
この温もりを、失ってはならない。
ただその想いだけが、今は確かだった。
認めたくなかっただけだ。
他の女を抱く気になれなかったのも、この感情の正体に、薄々気付いていたからだ。
その熱に焼かれながら、ようやく理解した。
抱きしめる腕に、自然と力がこもる。
――これから、私はどうすればいい……?
かつてユリアを探るため、クリックに話を聞いた。
だが彼は、決して力のことを口にしなかった。
それでも――
あの火事の夜、ブレスレットの少年を救ったのがユリアであること。
侍女の背中の傷を見た時点で、ほぼ確信していた。
すべてが――
遅すぎるほど、はっきりと繋がった。
ユリアは、力を持っていた。
その事実に、胸の奥が強く揺れた。
だが同時に――あの父の姿を思い出せば、隠した理由も分かる。
力を持つ娘を、あの男が手放すはずがない。
ユリアは、さっき全てを話そうとしてくれていた。
だが、できなかった。
実の父に襲われ、その父を目の前で失った直後に、さらに傷を抉るようなことを、口にできるはずがない。
ユリアの本心は、まだ分からない。
それでも――
守らなければならないものが、ここにある。
だが、それをどう守るべきか――
その答えを、エルフナルドはまだ持っていなかった。
抱きしめた腕の中で、ユリアの微かな鼓動が伝わる。
その温かさが、深く胸に染み渡る。
この温もりを、失ってはならない。
ただその想いだけが、今は確かだった。