敗戦国の花嫁 ー愛してはいけない人を愛してしまった
「そもそも、兄上は僕と違って力もあり、プライドも高い。父上の思惑通りに動くような人間ではありません。……もちろん父上も、それを分かっていたはずです。だからこそ、兄上には貴方の力のことを伝えなかった。二人が自然と愛し合い、子を成すとでも本気で思っていたのでしょうか……そんなの、あまりにも愚かだ」
鼻で笑うように、フレドリックは吐き捨てた。
「その後の調べで、王族の血がより強いほど、子に受け継がれる力も強くなる可能性が高いと知りました。その時……僕は、怒りで気が狂いそうでしたよ……」
フレドリックは天井を仰いだ。
「確かに僕も父上の子です。しかし、兄上たちとは母が違う。兄上たちの母上は、他国の高貴な王女。……一方で、僕の母上は元踊り子の妾です。その違いだけで、僕は幼い頃から疎まれ、見下されて生きてきた……」
低く、噛みしめるような声だった。
「だから、その事実を知った時……父上も、兄上も、心の底から恨みましたよ」
「どうして……エルフナルド様まで? 原因を作ったのは、先王陛下のはずでしょう?」
思わず、ユリアはそう口にしていた。
「父上のことは、幼い頃から何度も恨んできました。しかし……生きていく上で、父上の言葉は絶対です。僕のような存在は……尚更。逆らうことなど、許されない」
一度言葉を切り、フレドリックは自嘲気味に続ける。
「それでも、僕なりに考えたのです。何かを変えなければ、僕は一生、兄上の影で生きるだけだ。ずっと二番目……。だからこそ、兄上から何か一つでも奪いたかった。兄上が一度も考えたことのない感情でしょう。兄上に、僕の気持ちなど分かるはずがない」
その視線が、真っ直ぐユリアを射抜く。
鼻で笑うように、フレドリックは吐き捨てた。
「その後の調べで、王族の血がより強いほど、子に受け継がれる力も強くなる可能性が高いと知りました。その時……僕は、怒りで気が狂いそうでしたよ……」
フレドリックは天井を仰いだ。
「確かに僕も父上の子です。しかし、兄上たちとは母が違う。兄上たちの母上は、他国の高貴な王女。……一方で、僕の母上は元踊り子の妾です。その違いだけで、僕は幼い頃から疎まれ、見下されて生きてきた……」
低く、噛みしめるような声だった。
「だから、その事実を知った時……父上も、兄上も、心の底から恨みましたよ」
「どうして……エルフナルド様まで? 原因を作ったのは、先王陛下のはずでしょう?」
思わず、ユリアはそう口にしていた。
「父上のことは、幼い頃から何度も恨んできました。しかし……生きていく上で、父上の言葉は絶対です。僕のような存在は……尚更。逆らうことなど、許されない」
一度言葉を切り、フレドリックは自嘲気味に続ける。
「それでも、僕なりに考えたのです。何かを変えなければ、僕は一生、兄上の影で生きるだけだ。ずっと二番目……。だからこそ、兄上から何か一つでも奪いたかった。兄上が一度も考えたことのない感情でしょう。兄上に、僕の気持ちなど分かるはずがない」
その視線が、真っ直ぐユリアを射抜く。