響け!シャガのクレッシェンド
「構わないよ。いつでも待ってる」

「綺麗な声が出なくなる前に作らないといけませね」

そう話したリズは、どこか怯えた目をしていた。この前訪れた遊園地での出来事を思い出したのかもしれない。レオンハルトはそんな彼女の表情に、胸が苦しくなるのを感じた。

「リズ……」

笑顔でいてほしい。不安を全て拭ってあげたい。そうレオンハルトは思った。

(エリアス・ミュラー殺害事件の犯人も未だに捕まっていない。リズの監禁事件と繋がりがきっとあるんだろう。絶対に守らなくては!)

「レオンハルトさん?」

リズに顔を覗き込まれ、レオンハルトの顔に熱が集まる。

「リズ、どうしたんだい?」

「事務所に着きましたよ」

リズの言葉にレオンハルトは顔を上げる。いつの間にか「L・G探偵事務所」の前にいた。リズはドアノブに手をかけ、立ち尽くしたままのレオンハルトを心配しているようだった。

「すまない。少しぼんやりしてしまっていた」
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