たい焼きの頭としっぽ〜歳の離れた弟を育てていたら、幼なじみの御曹司俳優までお世話することになりました〜
いつもなら、途中で涙を止めていた。
でも、今日は違う。
私は、そのままで良い。
だって、今日は、涙がもう出ないってところまで、ずっと拓真の腕の中にいれたから。
こんな弱い日は、髪を撫で下されるだけで、勝手に、涙が上がってくるから。
全部、出し切るしかなかった。
「別に今すぐ、返事をくれって言ってるわけじゃない。こうやって、泣いて、話して。出来ること、ぜんぶやってから、決めるってのでも、いいんじゃないか」
まだ呼吸はひきつく。
だから、私は、ひくひく言いながら、ただただうなづいている。
「大丈夫だ。お前が待ってくれたみたいに、今度は俺が待つ番」
「……う、うん」
「それを俺らの形にすればいい。な?」
「……うん」
呼吸は相変わらず乱れてる。
拓真の浴衣だってびしゃびじゃだ。
でも、何か溜まっていたものを、初めて外へと吐き出せたような、心は少しだけ軽くなったような気がした。
涙が止まっても、そう。
止まったら、それでおしまいじゃない。
拓真の身体の中から、どっ、どっ、と音が聞こえる。
髪にサラサラと指が通ると、優しさを感じる。
胸も上がったり、下がったり。
拓真が、時間をかけて、教えてくれる。
その音に合わせて、ゆっくりと、呼吸も、気持ちも落ち着いていく。
こんなに、誰かの胸の中で、思いっきり泣いたのはいつぶりだろう。
それくらい、遠い記憶になっていた「私」も、なぜか拓真の前では見せられた。
すると、拓真の胸が、ひときわ大きく動いた。
「あとな、せっかく番号交換できたってのに、使わないのは勿体無いと思うぞ」
「………えっ?」
「好きな時に、かけてこい」
私は、モゾモゾと動き出した。
まだ、たくましい腕は、私の身体を締め付けたまま。
だから顔だけ出して、拓真を見上げた。
「でも、仕事が……」
「出れなくても、ちゃんと折り返す」
また、すぐ返事が返ってきた。
はっきり、きっぱりと。
だから、私は、もう何も言い返せない。
拓真の肩に、濡れた顔を戻した。
すると、私の髪には、また、拓真の手のひらが、何度も何度も通るようになった。
「それにしても、お前がこんな、いっぱいいっぱいだったとは。悪かった。気づいてやれなくて」
ダメだ。
やっぱり。
今日の私は、弱すぎる。
その言葉一つで、その撫で一つで、また、肩を小刻みに上下させるし、呼吸を引き攣らせる。
すぐ、バレる。
「良いぞ。誰も見てない」
私が泣くたび、抱きしめる腕の強さが、ギュッと強くなる。深くまで、顔が埋まる。
普段なら、絶対に声をあげて泣くなんてできない。みんなに聞こえちゃうから。
でも、今日は、そんな声すら、小さくなっちゃうから。勝手に、泣き声まで、上げてしまってる。
でも、今日は違う。
私は、そのままで良い。
だって、今日は、涙がもう出ないってところまで、ずっと拓真の腕の中にいれたから。
こんな弱い日は、髪を撫で下されるだけで、勝手に、涙が上がってくるから。
全部、出し切るしかなかった。
「別に今すぐ、返事をくれって言ってるわけじゃない。こうやって、泣いて、話して。出来ること、ぜんぶやってから、決めるってのでも、いいんじゃないか」
まだ呼吸はひきつく。
だから、私は、ひくひく言いながら、ただただうなづいている。
「大丈夫だ。お前が待ってくれたみたいに、今度は俺が待つ番」
「……う、うん」
「それを俺らの形にすればいい。な?」
「……うん」
呼吸は相変わらず乱れてる。
拓真の浴衣だってびしゃびじゃだ。
でも、何か溜まっていたものを、初めて外へと吐き出せたような、心は少しだけ軽くなったような気がした。
涙が止まっても、そう。
止まったら、それでおしまいじゃない。
拓真の身体の中から、どっ、どっ、と音が聞こえる。
髪にサラサラと指が通ると、優しさを感じる。
胸も上がったり、下がったり。
拓真が、時間をかけて、教えてくれる。
その音に合わせて、ゆっくりと、呼吸も、気持ちも落ち着いていく。
こんなに、誰かの胸の中で、思いっきり泣いたのはいつぶりだろう。
それくらい、遠い記憶になっていた「私」も、なぜか拓真の前では見せられた。
すると、拓真の胸が、ひときわ大きく動いた。
「あとな、せっかく番号交換できたってのに、使わないのは勿体無いと思うぞ」
「………えっ?」
「好きな時に、かけてこい」
私は、モゾモゾと動き出した。
まだ、たくましい腕は、私の身体を締め付けたまま。
だから顔だけ出して、拓真を見上げた。
「でも、仕事が……」
「出れなくても、ちゃんと折り返す」
また、すぐ返事が返ってきた。
はっきり、きっぱりと。
だから、私は、もう何も言い返せない。
拓真の肩に、濡れた顔を戻した。
すると、私の髪には、また、拓真の手のひらが、何度も何度も通るようになった。
「それにしても、お前がこんな、いっぱいいっぱいだったとは。悪かった。気づいてやれなくて」
ダメだ。
やっぱり。
今日の私は、弱すぎる。
その言葉一つで、その撫で一つで、また、肩を小刻みに上下させるし、呼吸を引き攣らせる。
すぐ、バレる。
「良いぞ。誰も見てない」
私が泣くたび、抱きしめる腕の強さが、ギュッと強くなる。深くまで、顔が埋まる。
普段なら、絶対に声をあげて泣くなんてできない。みんなに聞こえちゃうから。
でも、今日は、そんな声すら、小さくなっちゃうから。勝手に、泣き声まで、上げてしまってる。