たい焼きの頭としっぽ〜歳の離れた弟を育てていたら、幼なじみの御曹司俳優までお世話することになりました〜
軽くなったもの
部屋には、和紙張の吊り下げ照明が一つだけ。
その明かりも、湊が布団に入ると、消さなきゃいけない。
何も、見えなくなる。
湊の声まで聞こえなくなると、とうとう穏やかな寝息と、針が動く音だけになる。
だから、私は布団の横で、膝を抱えて、縮こまったまま、どうしたらいいかわからなくなる。
湊の寝顔を見れるわけでもない。
スマホを開いて、何かしようったって、自分が何をしたいのかもわからない。
だから、閉じる。
結局、また、一人の未来を知る。
ずっと止まらないのは、不安とか、怖さとか、そんなものだけ。
また、腕に顔を埋めて、何度も、はぁ……はぁ……と、ため息をつく。
これを続けちゃ、本当に、元の正気な自分に戻れなくなるって。自分でも何となく、分かってくる。
だから、立った。
窓辺に向かって歩いた。
障子をスーッと引いた。
窓の向こうには、月や星がある。
ネオンの光に比べれば、そりゃあ、明るいとは言い難い。
でも、何かを見ていたかった。
自分ではない、何かを。
ずっと、そんな毎日だった。
あの日までは。
最近の私は、広縁の机に頬杖をついて、スマホの明かりと向き合っている。
ずっと同じ画面でそれこそ何の移ろいもない。
でも、私の目は、もうぼんやりしてない。
ちゃんとぱっちり開いてる。
頭は、相変わらず重たい。
不安だけじゃない。戸惑いとか、葛藤とか、考えることは、もっと増えた。
でも、不思議と心は軽い。
ため息も出ないし、俯いちゃうとかもない。
ずっと、画面に表示された拓真の名前を、見てしまうから。
あんなに、遅い遅い。と思ってた針の動きも、
今は感じることすら忘れてる。
知らないところで進んでる。
(良いかな、今なら。出れなかったら、折り返すって、いつも言ってくれるもんね……)
拓真は、電話の最後に、必ずこう言う。
負担に、ならないんだ。って。
それが、結構大きかった。
私の心を、軽くしてくれた。
だから、どれだけ否定する言葉が後から出てきたって、今日も、最後までスマホを離さない。目を逸らさない。
あれこれ考えたって、結局、発信ボタンを押せている。
(えいっ……)
その明かりも、湊が布団に入ると、消さなきゃいけない。
何も、見えなくなる。
湊の声まで聞こえなくなると、とうとう穏やかな寝息と、針が動く音だけになる。
だから、私は布団の横で、膝を抱えて、縮こまったまま、どうしたらいいかわからなくなる。
湊の寝顔を見れるわけでもない。
スマホを開いて、何かしようったって、自分が何をしたいのかもわからない。
だから、閉じる。
結局、また、一人の未来を知る。
ずっと止まらないのは、不安とか、怖さとか、そんなものだけ。
また、腕に顔を埋めて、何度も、はぁ……はぁ……と、ため息をつく。
これを続けちゃ、本当に、元の正気な自分に戻れなくなるって。自分でも何となく、分かってくる。
だから、立った。
窓辺に向かって歩いた。
障子をスーッと引いた。
窓の向こうには、月や星がある。
ネオンの光に比べれば、そりゃあ、明るいとは言い難い。
でも、何かを見ていたかった。
自分ではない、何かを。
ずっと、そんな毎日だった。
あの日までは。
最近の私は、広縁の机に頬杖をついて、スマホの明かりと向き合っている。
ずっと同じ画面でそれこそ何の移ろいもない。
でも、私の目は、もうぼんやりしてない。
ちゃんとぱっちり開いてる。
頭は、相変わらず重たい。
不安だけじゃない。戸惑いとか、葛藤とか、考えることは、もっと増えた。
でも、不思議と心は軽い。
ため息も出ないし、俯いちゃうとかもない。
ずっと、画面に表示された拓真の名前を、見てしまうから。
あんなに、遅い遅い。と思ってた針の動きも、
今は感じることすら忘れてる。
知らないところで進んでる。
(良いかな、今なら。出れなかったら、折り返すって、いつも言ってくれるもんね……)
拓真は、電話の最後に、必ずこう言う。
負担に、ならないんだ。って。
それが、結構大きかった。
私の心を、軽くしてくれた。
だから、どれだけ否定する言葉が後から出てきたって、今日も、最後までスマホを離さない。目を逸らさない。
あれこれ考えたって、結局、発信ボタンを押せている。
(えいっ……)