たい焼きの頭としっぽ〜歳の離れた弟を育てていたら、幼なじみの御曹司俳優までお世話することになりました〜
もう、音が違う。

チュパ、チュパと。
だんだん早くなる。

食いつくたびに、息を吸い上げる。

何度も、何度も。
ハアハア、と音を出して。

でも、やっぱり痛いとか苦しいとか一つもない。
ただ、満たされてるだけ。

私の頭には、もうそんな感情しかない。

だから、下着がどうとか。
そんなちっぽけなことも、どこかに飛んでいってしまっていた。

ニットの裾に、拓真が手をかける。
私は、腕を上げる。

唇を噛んだまま。
ぐーっと引っ張られる。

首元までニットをたくし上げられる。

もう、それ以上一緒にはいれない。
パチーンと、唇が離れた。

自分でニットから顔を出す。
自分でニットから腕を抜く。

枕の横にニットを落とす。

また、拓真の顔が見える。

でも拓真は、ずーっと、私の胸元を見たまま。

動かない。
喋らない。

私は、ハッとした。

(あっ!下着!)

自分の胸元を見る。
飾りのない、ベージュの下着。

まさに、可もなく不可もなく。
よく言えば、無難。
悪く言えば、地味。

私は、慌てて、身体を起こした。
両手で胸元を隠しながら。


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