たい焼きの頭としっぽ〜歳の離れた弟を育てていたら、幼なじみの御曹司俳優までお世話することになりました〜
呼吸を肌で感じる距離。
思わず背を反らせる距離。

拓真が止まった。

私の目を見た。

「お前……無理してないか?」

でも、私は目を逸らさない。
しっかり目を見て。

「無理してるのは、そっちでしょ?」

ずっと、そのまま。
私は最後まで、目を離さなかった。

やっぱり。

拓真の視線がずれる。
拓真の身体が離れる。

拓真は、後ろに手をつきながら、天井を見上げる。

「……あーあ。バレてたか」

だから、私はクスッと笑った。

「バレてたか、って……拓真のこと、いくつから知ってると思ってんの?」

すると、拓真が、また身体を起こす。
また、私を見つめる。

私は、まだ笑いが収まらない。

(……ん?)

だから、眉の動きでそう聞いた。

でも、何も言ってこない。

ただ、はぁ……と、深いため息をつきながら、俯いた。

そして急に、腕を後ろに伸ばす。
身体を捩らせ始める。

はだけたシャツから、二つの腕を引っ張りだす。

「……お前、ほんと、今だけだぞ?そんな、悠長なこと言ってられるの」

脱いだシャツは、畳の上にポスッと落とされた。

私の笑いもぴたりと止まった。

唖然としながら。
畳の上のシャツを見つめている。

でも、顎に、拓真の手が。
グイッと動かされる。

私の目に映るのは、拓真だ。
また、さっきの。
血が迸るほど、ギラギラしている。
マジの目だ。

「わかってないだろ?長年溜めた分、一気に吐き出されるのが、どれだけ恐ろしいことかって」

でも、私は怯えない。

また、笑い出した。
だって、拓真が、大事にしてくれようとしてるって、わかったから。それだけで、嬉しいから。

「大丈夫。拓真となら、何でも楽しくなるもん」

拓真は、一瞬目を丸くした。
でも、すぐに、ふっ。と不敵の笑みを浮かべた。

「言ったな?」

それからすぐに、視線を落とす。
スカートの裾に手をかける。

私はもう、声を出すこともしない。
ただ、その手をじっと目で追いかける。

すべてを受け入れたかったから。

スカートの裾をくるくると捲られる。
ズルズルと押し上げられる。

それは、ちょうど胸元で止まった。

私の脚には、真っ黒なタイツだけ。
長さ細さは、丸見え。

拓真が、その中心部に両手をかけた。
まるで、今にも引き裂こうとしている人みたいに。

これは、あまりに想定外で。
私は、戸惑いの声を出した。

「ちょっ、ちょ、ちょ……何する気?」

拓真は顔を上げた。

「……ん?」

だから、私も顔を上げた。

拓真は、私の目を見ながら。
まるで挑発するように。

両手にグッと力を入れる。

「ビリビリビリッ」

私は、また、とっさに下を見た。
タイツが、引き裂かれていく。

一瞬、固まった。

でも、いざそうなると。
もうどうしようもないわけで。

自然と開き直れた。

後ろに両手をついた。
身体を倒した。

「うーん。まあ、後から、買いに行けばいいもんね」

一人で、天井を見上げていた。
一人で、にこやかに、うなづいていた。

でも、急に拓真の太ももが浮き上がる。
そりゃあ、私の身体も浮き上がる。

私は、とっさに身体を起こした。

拓真が、スラックスとトランクスを、いっぺんに下げていた。

それは太ももで止まる。

そして、生の大きなイチモツが。
ボロンと、飛び出てきた。

太い。長い。
上を向いてる。
しなってる。

「お、おーっと、これは、さすがに……」

私は、思わず、心の声を口に出す。
でも、まだにこやかだった。

だって、世界にはたくさんの人がいる。
その中の一人が、好きで。
相手も、好きになってくれて。

しかも自分に反応してくれるなんて。
こんな奇跡みたいなこと、ないんだから。

なのに、拓真は、また深いため息を吐く。

「はぁ……」

全然嬉しそうじゃない。
何か悩みでもあるみたいに。

だから、私は顔を上げた。

拓真は、俯きながら。

根元に、指を添える。
先っぽにゴムの帽子を被せる。

「ほんっと悔しい」

そう、嘆きながら。
二つの手で、被せたゴムを、スルスルと下ろしていく。

「えっ?なんで?」

私は、ふふっ、と笑ってる。

だって、困ることなんてないのに。
あまりにも拓真が、深刻そうにするから。

「なんで……って。言葉だけで良いとか言っといてさ。いざこうなると、こんなに盛るんだから。俺の計画では、もっと大事に、大事にだな」

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