たい焼きの頭としっぽ〜歳の離れた弟を育てていたら、幼なじみの御曹司俳優までお世話することになりました〜
「っ……ん……」

(……なんだか、くすぐったいような、気持ちいいような……)

しっとりと汗ばんだ肌に、唇が吸い付いてくるたび、私の身体はふにゃりと蕩けた。

なんというか、顎を撫でられて、ゴロゴロと鳴く、猫にでもなったような気分だ。

でも、ちょうど首筋まで到達すると、拓真はそれを、突然ぷつりとやめてしまう。

(………あっ、そっか服、脱がないとだ!)

私は次に進めない理由を、知識のない頭から辛うじて捻り出し、身体を勢いよく飛び起こした。

「ごめん。私こういうの、あんまり慣れてなくて……」

そして、ワンピースの背にあるファスナーを引きおろそうと腕を回すけれど、こんな時に限って、それが上手く見つからない。

力いっぱい振り返ったり、腕を思いっきり伸ばしたり、必死になって試行錯誤を繰り返す。

「……っははは……」

すると隣から、拓真の笑い声が聞こえてくる。

押し殺すように手のひらで口を抑えているけれど、こちらには丸聞こえだ。

「もう!なんで笑うの!」
「俺のセリフ取られたな…って?……はははっ…」

(私が、慣れてないって、言ったから……?)

「いやいや……私にまでそんな気遣わなくて良いから」
「だから、いやいやって、その反応も、さっきから何?……はははっ……」

「だって、ほら、よく、恋は芸の肥やしだ~とか言われない?あっ、宇佐見さんもよく言ってたし!」

正直、自分以外の女性と何か関係があったとしても、別に私は構わなかった。

これまでの年月とか、一緒に見てきたものとか、一言では言い表せない繋がりが、そう感じさせていたのかもしれない。

でも、そんな軽く発した言葉も、拓真は思いのほか真剣に考えてくれる。

「言われるねえ……まあ、一理あるのかもしれないけど。あいにく俺は、鈴子まで仕事に奪われていいとは思わないかな」
「うーん……そういうもの、なの?……」

(あっ……やっと、できた)

開いた背中に、拓真の手が回されると、耳のそばに息が触れて、また思考がさらわれる。

「そう。こう見えて、俺は、結構脆いんだよ。そうなったら、本当に潰れるかも」

むき出しになった背には、拓真のぎこちない指の動きが、直接伝わってくる。

慣れない手つきで、ブラジャーの留め具を外している間も、ずっと耳元で、潜めた声を聞かせてくれていた。

「分からなくて良い……っていうか、こんなのわからない方がいいよ」

そして、その指を優しく髪に通すと、私の頭を枕に預け、目を見ながら真っ直ぐとこう伝えてくる。

「ただ、鈴子といる時間が俺を救ってくれてるってことだけ、わかって?」
「……うん」

「じゃあ、俺にも、もっと教えてよ。鈴子のこと」

まるで先ほどの続きをするように、むき出しになった素肌には、一つ残らず、唇の跡がつけられていく。

真っさらな私の肌は、だんだんと彼の色に染まっていった。

そんな唇の柔らかい圧力が、妙にじれったくて、身をモゾモゾと捩らせる。

そのせいで、二つの膨らみは、自然とブラジャーの中から顔を出した。

「……鈴子?触るよ?」

「……う、うん」

目の前の膨らみに向かって、スラッとした指の腹が、ゆっくりと伸びてきた。

壊さないように、優しく、大切に扱ってくれているのに、なぜか私は一人で声を上げ始める。

「……あっ……」

(えっ?何?今の声……?)

「ん?どこが、気持ちかった?」
「真ん中の……」

「……乳首か」

私の声に応えるように、ピンと尖った頂には、舌先からの刺激も与えられていく。

じっと見つめられながら、舌先を突起に沿わせると、下から上へ、僅かな反応までもうかがうように、じっくりと舐め上げられる。

「……っ、ん」

そのたびに、ビリッとするような快感が、まるで電撃みたいに襲ってきた。

「鈴子……ここ、真っ赤……」

拓真は、そんな赤く熟れた果実を、含味するように、咥え込む。そのまま、口を強く窄められると、今度はそれが、思わず身体が勝手に動き出すみたいな、強い衝動に変わる。

「……っ、あっ」

自分では、もうどうにも抑えられないくらい、私を乱しているのは、他でもない拓真だ。

でも当の本人は、また指先を使って、突起をサワサワと弄びながら、満足気な顔で見上げてきた。

「………覚えたよ。鈴子が好きなとこ」

「…んー、もーう。恥ずかしいって……」

私しか見ていないみたいに、夢中になった拓真の表情は、どこかいつも窓際から眺めていた表情と重なるものがあった。

それを、今はこんな近くで見ていられる。

手を伸ばせば、届きそうな距離で。

どんな刺激よりも、その事実が、私の身体をいっぱいにした。

お腹あたりがウズウズとして、何かとても温かいものが、ジワリ、ジワリと広がっていく感覚になる。

「何?そんな、じっと見て……」
「……いや……私って、自分が思うよりずっと、拓真に夢中なんだなあ、って」

すると、まるで力が抜けたように、拓真は私に体重を預ける。私の激しく動く鼓動の音を、直接聞く拓真の耳は、やけどしそうなほど熱を持っていた。

「ああ……俺、今なら何だって出来そうな気がする」
「拓真?」

突然何かスイッチが入ったように、拓真は目の色を変えて、また私を見上げてきた。

「ん?何?続き、してほしいって?」

「そんなこと、言って……な、」

ちゃんと否定したのに、全く受け付けてもらえず、拓真は腰のあたりで脱がす途中になっていたワンピースに、指をかけ始めた。

「今のは、鈴子が悪いよ?」

しかも、ワンピースだけでなく、なぜかショーツまで、一気に剥ぎ下ろしてしまうではないか。

それまでジタバタとあがいていた私も、本当に身ぐるみ全てを剥がされてしまった衝撃で、何か最後の砦を守るように、身体を小さく縮こませる。

「……な、何するの!?」
「何、って。初めてなんだから、中ちゃんと触んないと、俺のも挿れらんないでしょ?」
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