たい焼きの頭としっぽ〜歳の離れた弟を育てていたら、幼なじみの御曹司俳優までお世話することになりました〜
賑わいと静けさ
私たちが宴会場に到着したときには、もうずいぶんと賑やかだった。
お座敷の中心に、長机が一つ。
上座と下座に、それぞれ、座椅子が五十個ずつ並んでいる。
湊と手を繋ぎながら、早歩きで、席札を一つ一つ確認していく。
まず、自分。
最後尾だ。
そのまま、歩き続ける。
(かなり、距離あるな……)
湊の分も見つけた。
先頭から二番目。
そして、隣には、拓真もいた。
あぐらを描いている。
私は、安心した。
少し目を離した隙に、湊はもう、座椅子の上でしっかり正座。
だから、その隣にしゃがみ込み、小声で話しかける。
「湊、姉さん。あっちにいるからね」
湊は、うなづく。
また、立ち上がった。
そのとき。
誰かに手首を掴まれた。
私は、振り返る。
拓真と目が合う。
シュッと、手を引き抜いた。
あちこちに頭を振る。
誰も見ていない。
だから、もう一度、拓真を見る。
目の動きで。
口の動きで。
思いっきり感情をぶつけた。
(…… バカじゃないの?何やってんの!?)
でも、拓真は全く動じない。
そりゃあ、そうだ。
「近くで見れた方がいいだろ?」
動じることなんて、何もないんだから。
私は、また一人で、ジタバタしていただけだった。
もう、私を見てもいない。
湊に、話しかける。
「ぼう」
「なーに?」
「膝の上、くるか?」
自分の膝を、ポンポン叩く。
「……うん!」
湊を持ち上げ、膝の上に乗せる。
(いやあ……むりむりむり……)
席が空いた。
でも、私は座れない。
ずっと肩を揉みながら、二人の後ろ姿を見ている。
そりゃあ、こんな公衆の面前で、そんな軽率なことをする人ではないと、わかっている。
でも、この首筋に残る痕が、そうさせるのだ。
「皆さん、お揃いですかー?」
すると、長机の中心から、癖っ毛頭の中年男性が声を飛ばす。
助監督さんだ。
私は、ようやく周囲に目を向けた。
いつの間にか、席についていないのは、私だけ。
みんな、お猪口を持っている。
もう、戻れない。
拓真の隣に、座った。
お座敷の中心に、長机が一つ。
上座と下座に、それぞれ、座椅子が五十個ずつ並んでいる。
湊と手を繋ぎながら、早歩きで、席札を一つ一つ確認していく。
まず、自分。
最後尾だ。
そのまま、歩き続ける。
(かなり、距離あるな……)
湊の分も見つけた。
先頭から二番目。
そして、隣には、拓真もいた。
あぐらを描いている。
私は、安心した。
少し目を離した隙に、湊はもう、座椅子の上でしっかり正座。
だから、その隣にしゃがみ込み、小声で話しかける。
「湊、姉さん。あっちにいるからね」
湊は、うなづく。
また、立ち上がった。
そのとき。
誰かに手首を掴まれた。
私は、振り返る。
拓真と目が合う。
シュッと、手を引き抜いた。
あちこちに頭を振る。
誰も見ていない。
だから、もう一度、拓真を見る。
目の動きで。
口の動きで。
思いっきり感情をぶつけた。
(…… バカじゃないの?何やってんの!?)
でも、拓真は全く動じない。
そりゃあ、そうだ。
「近くで見れた方がいいだろ?」
動じることなんて、何もないんだから。
私は、また一人で、ジタバタしていただけだった。
もう、私を見てもいない。
湊に、話しかける。
「ぼう」
「なーに?」
「膝の上、くるか?」
自分の膝を、ポンポン叩く。
「……うん!」
湊を持ち上げ、膝の上に乗せる。
(いやあ……むりむりむり……)
席が空いた。
でも、私は座れない。
ずっと肩を揉みながら、二人の後ろ姿を見ている。
そりゃあ、こんな公衆の面前で、そんな軽率なことをする人ではないと、わかっている。
でも、この首筋に残る痕が、そうさせるのだ。
「皆さん、お揃いですかー?」
すると、長机の中心から、癖っ毛頭の中年男性が声を飛ばす。
助監督さんだ。
私は、ようやく周囲に目を向けた。
いつの間にか、席についていないのは、私だけ。
みんな、お猪口を持っている。
もう、戻れない。
拓真の隣に、座った。