たい焼きの頭としっぽ〜歳の離れた弟を育てていたら、幼なじみの御曹司俳優までお世話することになりました〜
やっぱり、白髪頭のおじいさんが、顔を真っ赤にしながら、ニコニコと私を見ていた。
やっさん。
このチームで一番の年長者。
でも、どうしても、すぐに、はい!とは言えなかった。
だって、嬢ちゃんなんて呼ばれる年でもない。
だから、自分の周りを確認してみる。
男性ばかり。
じゃあ、本当に?
私は、やっさんに、半信半疑で聞いてみた。
「……やっさん。私ですか?」
「そうだよ。一杯、入れてくんないか」
おちょこを、振る。
いくら振っても、こぼれやしない。
空になったって、言いたいらしい。
(ああ……まあ、酔ってるなら仕方ないか……)
徳利を見つけた。
でも、ちょっと遠い。
だから、立て膝をついて、前屈みになる。
そのとき。
誰かが、浴衣の裾を、引っ張った。
私は、どしんと尻餅をついた。
なぜか、また、振り出しに戻った。
拓真だ……絶対
でも、私はやめる気はなかった。
だって、多分、やっさんの気は収まらない。
私は、知っている。
だから、めげずに、また前に出ようとした。
そのとき。
「やっさん、もうその辺にしときましょう」
今度は、手を、私の前に出してきた。
そして、いつの間にか、湊は、私から拓真の膝に。
どうやら、私は、ずっと、この人に守ってもらっていたらしい。
だから、自分があえて何かしなくても良いんだ。
もう、お任せしようと。と
その後ろで、大人しくしていた。
でも、やっぱり、思った通り。
やっさんは、もう拓真なんて見ていない。
「じゃあ、そこの嬢ちゃん……」
もう、やっさんの背中しか見えない。
通りすがりの女性に、またニコニコと、声をかけているから。
「……えっ?私ですか」
でも、その女性の顔はよく見える。
オレンジの髪を一つにまとめ、耳にはいくつもピアスが付いてる。
かなり若い子だと思う。
そして、それっきり、何も話さなくなってしまった。
今も、キョロキョロと、どこか落ち着かない様子。
私には、それが、困っているように見えてならなかった。
もう勝手に、身体が動き出していた。
机の下から、手を出そうとした。
でも、拓真の手が、また止めた。
厳しい顔つきで、絶対にダメだと、釘を刺してくる。首まで、ブルブルと振られる。
でも、私は、大丈夫大丈夫。と。
また、安心させるように、微笑んでみせた。
頷いてみせた。
そして、手を無理やり引き抜く。
私がやるしかないから。
また、立て膝をついて、前のめりになる。
今度こそ、徳利を持った。
「私、やりますよ」
やっさんは、やっと、顔を見せた。
「おう、そうかい?頼むよ」
突き出されたお猪口に、日本酒を注いでいく。
チラッと、視線をずらした。
あの女性はまだ立っていた。
眉を下げて、どこか辛そう?
とにかく、晴れやかな表情では、決してなかった。
でも、私にその正体はわからない。
彼女は、すぐに走って、自分の席に戻っていったから。
だから、また、お猪口を見る。
いつの間にか、並々と満たされていた。
「すまないねえ」
「いえいえ」
私は、お猪口を置いて、もう一度ちゃんと座った。
その間に、やっさんは、嬉しそうに、お猪口を口元へ。
でも、口をつけた。そのとき。
やっさんは、止まった。
私が、真似るみたいに、自分のお猪口を突き出してきたから。
「じゃあ、私のも、お願いします」
にこにこと言うところまで全部おんなじ。
やっさんは、お猪口から口を離した。
お猪口と私を、交互に何度か見た。
今は、目は点にして、私だけを見つめている。
「嬢ちゃん、何を……?」
「私も、飲みたいので!」
やっさん。
このチームで一番の年長者。
でも、どうしても、すぐに、はい!とは言えなかった。
だって、嬢ちゃんなんて呼ばれる年でもない。
だから、自分の周りを確認してみる。
男性ばかり。
じゃあ、本当に?
私は、やっさんに、半信半疑で聞いてみた。
「……やっさん。私ですか?」
「そうだよ。一杯、入れてくんないか」
おちょこを、振る。
いくら振っても、こぼれやしない。
空になったって、言いたいらしい。
(ああ……まあ、酔ってるなら仕方ないか……)
徳利を見つけた。
でも、ちょっと遠い。
だから、立て膝をついて、前屈みになる。
そのとき。
誰かが、浴衣の裾を、引っ張った。
私は、どしんと尻餅をついた。
なぜか、また、振り出しに戻った。
拓真だ……絶対
でも、私はやめる気はなかった。
だって、多分、やっさんの気は収まらない。
私は、知っている。
だから、めげずに、また前に出ようとした。
そのとき。
「やっさん、もうその辺にしときましょう」
今度は、手を、私の前に出してきた。
そして、いつの間にか、湊は、私から拓真の膝に。
どうやら、私は、ずっと、この人に守ってもらっていたらしい。
だから、自分があえて何かしなくても良いんだ。
もう、お任せしようと。と
その後ろで、大人しくしていた。
でも、やっぱり、思った通り。
やっさんは、もう拓真なんて見ていない。
「じゃあ、そこの嬢ちゃん……」
もう、やっさんの背中しか見えない。
通りすがりの女性に、またニコニコと、声をかけているから。
「……えっ?私ですか」
でも、その女性の顔はよく見える。
オレンジの髪を一つにまとめ、耳にはいくつもピアスが付いてる。
かなり若い子だと思う。
そして、それっきり、何も話さなくなってしまった。
今も、キョロキョロと、どこか落ち着かない様子。
私には、それが、困っているように見えてならなかった。
もう勝手に、身体が動き出していた。
机の下から、手を出そうとした。
でも、拓真の手が、また止めた。
厳しい顔つきで、絶対にダメだと、釘を刺してくる。首まで、ブルブルと振られる。
でも、私は、大丈夫大丈夫。と。
また、安心させるように、微笑んでみせた。
頷いてみせた。
そして、手を無理やり引き抜く。
私がやるしかないから。
また、立て膝をついて、前のめりになる。
今度こそ、徳利を持った。
「私、やりますよ」
やっさんは、やっと、顔を見せた。
「おう、そうかい?頼むよ」
突き出されたお猪口に、日本酒を注いでいく。
チラッと、視線をずらした。
あの女性はまだ立っていた。
眉を下げて、どこか辛そう?
とにかく、晴れやかな表情では、決してなかった。
でも、私にその正体はわからない。
彼女は、すぐに走って、自分の席に戻っていったから。
だから、また、お猪口を見る。
いつの間にか、並々と満たされていた。
「すまないねえ」
「いえいえ」
私は、お猪口を置いて、もう一度ちゃんと座った。
その間に、やっさんは、嬉しそうに、お猪口を口元へ。
でも、口をつけた。そのとき。
やっさんは、止まった。
私が、真似るみたいに、自分のお猪口を突き出してきたから。
「じゃあ、私のも、お願いします」
にこにこと言うところまで全部おんなじ。
やっさんは、お猪口から口を離した。
お猪口と私を、交互に何度か見た。
今は、目は点にして、私だけを見つめている。
「嬢ちゃん、何を……?」
「私も、飲みたいので!」