結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
「だが、結果が伴っていない。途中過程なんてどうでもいい、結果がすべてだ。入学式で代表におまえが選ばれなかった、それが事実だ!」
「僕が至らぬばかりに……申し訳ありません……」
 これ以上、家庭教師らが悪く言われるのは耐えられなかった。
 彼たちは勉強はもちろんだが、それ以外のことも教えてくれた。例えば月が赤く染まったときは雨が降るとか、それは本当に些細なことであったけれど、シオドアにとっては知らない話ばかりで、興味深く耳を傾けていた。
 勉強が嫌で投げ出しそうになったときも、教師が話題を変えて気分転換させてくれたため、なんとか学園入学前に必要な知識は身につけたつもりだった。
 学園の入学試験でも実力を発揮できたとそう思っていたが、どうやら入学試験の結果は自分が思っていたよりも悪かったらしい。いや、父は一番以外を認めない。
 入学試験でトップをとった者が新入生代表挨拶を行うと知ったのは、学園の入学式に足を運んだときだった。
 シオドアが真新しい制服を身につけても父はニコリともしないし、何も声をかけてこない。その分、母親は「似合っているわ」と褒めてくれたし、弟たちも「兄様、かっこいい」ときらきらした憧れの眼差しを向けてくる。
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