結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 二日後には夫婦そろってポーレット公爵家の晩餐会に呼ばれているし、ここでもシオドアと仲の良い夫婦を演じなければならず、ボロを出さないためにも日ごろから演技をしておくのは必要なのだ。ようは練習のようなもの。
 そのため食事中の会話もなんとかしようと私が話題を振っており、シオドアがそれに付き合ってくれるので、仲良し夫婦の偽装は大したものだと自分でも思う。
 夕食後、私が自室で待っていると、早速シオドアがやってきた。先ほどまでの食堂での態度とは大違いで、不機嫌をまき散らしている。
「それで、なんの用だ?」
 ソファーに乱暴に腰をおろしたシオドアは手と足を組んだ。
「アーヴィンから手紙が届きました」
 彼の前に手紙をパサリと置くと、慌てたようにシオドアがそれを手にするも、封筒の中から手紙を取り出そうとしてそこで躊躇う。
「僕が読んでもいいやつなのか?」
「えぇ、ぜひ。ロンペル子爵宛てに届いたものですから」
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