結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。

3.

 ポーレット公爵邸での晩餐会は、つつがなく終えることができた。ただその日は、公爵家の客室にシオドアと二人で泊まったわけだが、大きなベッドの隅と隅、お互いに背中を向けて眠った。
 私がソファで横になってもよかったのだけれど、二人でベッドを使った痕跡がなければ、お義母様が心配するというのがシオドアの言い分だった。
 やはり、彼は母親には甘いのだ。
 なんとか公爵邸での晩餐会を終え、別邸に戻ってきた私たちだが、それからしばらくすれば、偽りの夫婦関係もそろそろぼろが出始めている。シオドアがリンダとの関係を誤魔化しても隠そうとしないのが原因であり、私はそれに気づかぬふりをしていた。
 結局、子爵家のすべてをきりもりしているのは私なのだ。本来であればシオドアが執務席に座って目を通すべき書類も、彼に届く手紙と同じように私が確認し、必要であれば彼に見てもらうという流れをとっている。そうでもしなければ、仕事が滞ってしまうからだ。
 そんなとき、執事長のヘルナントが「旦那様は、また離れでしょうか?」と、窓の外に見える建物へ視線を向けるものだから「そうね」と曖昧に答えるしかない。
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