結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
「あら? アーヴィンからだわ」
 まるで曇り空の切れ間から差し込む太陽の光ように、私の心もぱっと明るくなった。
 だけど、それが顔に出てしまったようで、エマが無言のままニコニコと笑顔を向けてくる。
 私は弾む心を落ち着けつつ、アーヴィンからの手紙を確認する。
 それは、以前からお誘いがあったお茶会の件。五日後、王城の天光の庭で開催するといった内容だった。私とシオドア、二人に会いたいと、表向きはそう書いてある。
 この内容であれば、私とアーヴィンが二人きりで会うものだとは誰もわからないだろう。まして、私と彼の関係を疑う者など。
「エマ、五日後ですって。早速、返事を書かなきゃ。それから、一応シオドアにも伝えておかないと……」
 私はエマが淹れてくれたお茶を口に含みながら、これからのことを考える。
「エマは一緒に行くのよ? 護衛は……」
 同行させる騎士の名をあげる。彼らはポーレット公爵家の騎士だが、公爵の指示で私たちの護衛を引き受けているのだ。
「やっぱりシオドアには……病気になってもらうしかないわね」
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