結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 王弟の誘いを断るのだから、それなりの理由が必要だ。王弟より身分の高い者から誘いを受ければそれも理由の一つになるだろうが、アーヴィンより身分の高い人間は国王陛下ぐらいだろう。
 アーヴィンからの手紙を確認した後は、残りの手紙にも目を通す。結婚式のお礼状を送ったばかりだから、それに対する返事と、やはりお茶会や夜会の招待状が多かった。
 今はまだロンペル子爵だが、将来のポーレット公爵と仲良くしておきたいと思う者は多いようだ。ため息をつきながらも「できれば、お断りしたいところだけど」と本音が漏れた。
「お義母様に相談するしかないわね」
 シオドアに相談できればと思うこともあるが、私たちの関係は偽りのものだから仕方ない。
 ロイル侯爵家であれば、なんとなく付き合いのあるところがわかるから、どこに出席したらいいのかもぱっとわかるのに、ロンペル子爵家、ましてポーレット公爵家となれば、さっぱりわからないのだ。変なところに顔を出して、ポーレット公爵の立場を悪くしてもいけない。
 そこまで考えたところで、私は気持ちを切り替えることにし、お茶とお菓子を堪能し、エマと些細な話をして休憩時間を終えた。
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