結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
 ただ、今年も支出より収入のほうが多そうであり、それだけでもほっと息をついた。下手をすれば支出が上回る場合だってあり、そんなときは私財をなげうってでもという話になるが、ロンペル子爵にはそこまでの資産がない。頼るところはポーレット公爵となるわけだ。
 扉が叩かれ、エマの声が聞こえてきた。
「奥様、食事の用意が整いました。こちらにお持ちしましょうか? それとも食堂になさいますか?」
「シオドアは? まだ離れで休んでいるのかしら?」
「はい。まだ具合が悪いそうで……今日は向こうでお休みになられるそうです」
 今日は、ではなく、今日もだけど。
 心の中でぼやいた私は「食堂へ向かうわ」と返事をする。
 シオドアがいないのであればどこで食べようが同じだが、私が食堂に姿を現すことに意味がある。

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