結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
2.
若草色のエプロンワンピースに身を包み、顔が隠れるほどのつばの大きな帽子をかぶる。
「まぁ、奥様。素敵です」
エマは大げさに褒めてみせるけれど、鏡に映った自分を見て、私自身もまんざらではない。
私だけが変装しても、エマとマルクスが付き人のような格好をしていたら、怪しい一行だと思われてしまうだろう。だから二人にも町中を歩いている領民のような格好をしてもらったが、それとなくエマのワンピースとマルクスのシャツの色を合わせてみた。
どこからどう見ても仲睦まじい恋人同士、もしくは夫婦に見えるだろう。
部屋に閉じこもっているシオドアには扉越しに「町の視察に行ってきます」と声をかけたが、うんともすんとも返事はなかった。
私はエマとマルクスと一緒に町へと向かった。この屋敷は町を見下ろすような位置に建っており、町への入り口までは歩けない距離でもないが、馬車で向かうことにした。
昼は町のレストランで食事をし、あとはぶらぶらとどんなところかを見て回るだけ。気になる場所があればよく見たり、話を聞いたりしようと思っているが、予定しているのはそれくらい。むしろ、アーヴィンと話をするのが一番の目的だったりもする。
町への入り口で馬車を降りると、その近くでアーヴィンが待っているはずなのだが、声をかけられるまで気がつかなかった。
「イレーヌ」
「アーヴィン?」
「まぁ、奥様。素敵です」
エマは大げさに褒めてみせるけれど、鏡に映った自分を見て、私自身もまんざらではない。
私だけが変装しても、エマとマルクスが付き人のような格好をしていたら、怪しい一行だと思われてしまうだろう。だから二人にも町中を歩いている領民のような格好をしてもらったが、それとなくエマのワンピースとマルクスのシャツの色を合わせてみた。
どこからどう見ても仲睦まじい恋人同士、もしくは夫婦に見えるだろう。
部屋に閉じこもっているシオドアには扉越しに「町の視察に行ってきます」と声をかけたが、うんともすんとも返事はなかった。
私はエマとマルクスと一緒に町へと向かった。この屋敷は町を見下ろすような位置に建っており、町への入り口までは歩けない距離でもないが、馬車で向かうことにした。
昼は町のレストランで食事をし、あとはぶらぶらとどんなところかを見て回るだけ。気になる場所があればよく見たり、話を聞いたりしようと思っているが、予定しているのはそれくらい。むしろ、アーヴィンと話をするのが一番の目的だったりもする。
町への入り口で馬車を降りると、その近くでアーヴィンが待っているはずなのだが、声をかけられるまで気がつかなかった。
「イレーヌ」
「アーヴィン?」