結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。
「君たち、今日は俺のために朝早くから準備をしてくれてありがとう」
「あなたのためじゃないわよ。卒業生みんなのために彼らは頑張ったの」
 私がいつものように突っ込めば、後輩たちもクスクスと笑い出す。
「アーヴィン先輩たちと今日でお別れだと思うと……寂しいです」
 マティウスの言葉に、他のメンバーもしゅんとし始めた。
「そう思うなら、今日というこの日を、俺にとって一生忘れられないような日にしてほしい。君たちならそれができるだろう?」
 まるで煽るような言い方に、彼らも互いに顔を見合わせ戸惑っている。
「あなたたちなら、大丈夫。絶対にできる。去年もそう言って、やりきったでしょう?」
 一年前、卒業パーティーを取り仕切る側だった私の姿をマティウスたちも知っている。なによりも一緒に成し遂げたのだから。
「ありがとうございます、アーヴィン先輩。イレーヌ先輩」
 いつものマティウスの姿に私も安心した。
「そろそろ始まるわね。私たちは、向こうで待っているわ」
 彼らに言葉を告げ、その場を離れようとすれば、ちゃっかりアーヴィンもついてくる。
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