御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
ホッとした直後に、宏斗の母親がスッと真顔になった。

「世の中には掃除や料理が得意な妻を求める男性も多いと思うの。でもね、うちは重要視していないわ。そんなのは家政婦を雇えばいいだけの話だから」

(えっ……?)

嫌な予感に血の気が引いていく。

「あ、あの」

「戸惑わせてごめんなさいね。私は宏斗の母親です。息子が水沢さんと同棲しているのは知っているわ。だからはっきり言うけど、あなたでは無理よ。息子を支えられないわ」

この掃除の依頼は偶然でも嫁としての品定めでもなかった。

別れるよう説得するつもりで渚を呼んだのだと気づき、ショックを受けていた。

「失礼だけど、あなたのことを調べさせてもらったの。ご両親とお兄様が他界されていて、あなたは離婚歴があるんですってね」

布巾を両手で握りしめて固まっていた。

それが悪いと言われたら、どうすることもできない。

「あなたと結婚して息子になんのメリットがあるのかしら。きれいな家と美味しい食事、それと癒し? くだらないわね。結婚相手は利益をもたらしてくれる女性じゃないと困るのよ。実はね、宏斗にいい縁談が来ているの」

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