御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
義父も後押ししてくれる。

「孫に触れずに帰るのか? もったいないな。なにしに来たのかわからないぞ」

すると義母が渋々といった様子で振り向いた。

「あなたがしつこく誘うから来ただけよ」

義父に言い返しながら宏斗に近づいた義母が、航大に手を伸ばした。

(抱っこしてくれた……!)

祖母と孫の初めての交流をしっかりと目に焼きつける。

「航大。悪くない名前ね。大物になれそうな響きだわ。宏斗の宏の字を使った方がもっとよかったと思うけど」

話しかけられていると思ったのか、航大が「あーぶー」と返事をした。

三か月を過ぎると声にバリエーションが増え、表情も豊かになってきた。

その可愛らしさは義母の頑なな心にも届いたようで、フッと柔らかい笑みを浮かべる。

(お義母様が笑ってる!)

これからは祖母として双子を可愛がってくれると期待したのも束の間で、義母が驚くことを言いだす。

「宏斗に似て賢そうな顔をしているわね。うまく育てたらISSIKIを率いる器になれるわ……そうだ、私が引き取って教育してあげるわよ。離乳が済んだら預けに来なさい」

(えっ!?)

「なにを言うんだ」

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