御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「来週末の予定を空けておいて。あなたたちの自宅に伺うわ。知育玩具をたくさん買っていくから今のうちからしっかり教育しなさい」

颯爽と歩き出した義母の姿がすぐに見えなくなる。

誰も通っていない料亭の廊下を見ながら渚はポカンとしていた。

(来週末? そんなに早く来てくれるんだ)

困惑顔の宏斗と視線を交えると、義父の笑い声が響いた。

「今度、我が家に遊びに来るといい。きっと驚くぞ」

義父の家のリビングと廊下、玄関の壁は義母が飾った双子の写真で埋め尽くされているそうだ。

渚が送った写真や動画を義母が自らの手で加工し、額縁に収めたものらしい。

「ええっ!?」

「孫の誕生は心から喜んでいるんだよ。素直じゃなくてすまないな」

渚の帝王切開の前日は神社にお参りに行き、無事に生まれたと義父が知らせた夜はとっておきのワインを開けていたという。

宏斗と顔を見合わせて驚いていた。

(お義母様がそんなふうに思っていてくださったなんて……)

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