御曹司の溺甘庇護欲が最愛妻と双子を取り戻す
「でも、モニターを持っていったら、宏斗さんを起こしてしまうと思うので――」

「構わないよ。渚に触れたいんだ」

男の顔をする彼に鼓動が高まり、頬が熱くなる。

誘われていると思って返事を迷っていると、彼の眉尻が下がった。

「大丈夫、隣で寝るだけだよ。なにもしないから」

欲情を抑えようとしているような表情にも見える。

(もしかして、抱きたいのをずっと我慢してくれていたの?)

今でも日常的にハグやキスをしているが、彼はそれ以上求めてこない。

帝王切開の傷はとっくに癒えているけれど、抱いていいかと聞くのも渚の負担になると考えていたのかもしれない。

(双子のお世話ばかりで、宏斗さんの我慢に気づいてあげられていなかった)

反省すると同時に嬉しくも思う。

子供たちの母親ではなく、ひとりの女性として見てもらえるのは自信になる。

渚の中にも抱かれたいという久しぶりの感情が蘇り、恥ずかしくてうつむき加減になる。

「私も宏斗さんと一緒に寝たいです。なにもしないんじゃなくて、あの……」

「抱いていいの?」

「はい……」

頷くやいなや、体に腕を回され横抱きに抱え上げられた。

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