頻発性哀愁症候群
「川崎さんって、先天性?」

「ううん、後天性。中学二年性の時に発症したの」

「そっか。じゃあ、まだ慣れなくて辛いだろ。俺は先天性。生まれた時から異常に寂しがりだった。だけど、去年さらに症状が悪化し出したんだ」

先天性……つまり、菅谷くんはずっとこの病気に悩まされているということだ。

「さらに症状が悪化したってどれくらい?」

「前までは兄貴にたまに症状が出た時に電話するくらいで大丈夫だったし、夜も普通に眠れた。でも、去年辺りから兄貴に電話する頻度が異常に増えた。両親は仕事で忙しくて、殆ど休日しか話せないから」

「そっか。それは大変だったね」

菅谷くんに症状が悪化した去年に何かあったのか気になったが、そんなの触れない方が良いに決まっている。

「川崎さんは?どれくらいの症状?」

「私は発症してからずっとぬいぐるみが手放せないくらい。それに、両親に電話する回数も多い。両親への負担を減らしたいから、菅谷くんの提案に乗ったの」

「なるほど。分かった。お互い家族への負担を減らすことがこの関係の第一目標だな」

「うん。ねぇ、菅谷くん」

「何?」

「私、この病気を治したい。完全には治らなくても絶対に改善はしたいの。周りの人に頼らなくても良いくらい。だから、出来るだけ解決法が共有していくっていうのはどうかな?」

「それは俺も賛成。同じ病気の人と話せるのは初めてだから、すごい助かる」

その後、私たちはお互いに寂しさを紛らわしている方法を話し合った。
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