頻発性哀愁症候群
「今日、お父さんもお母さんも帰りが遅いじゃない?奈々花は大丈夫かなって。もし、無理そうだったらお母さんが会社の人にお願いして……」

「大丈夫だよ」

そう笑顔で答えながら、自分の惨めさに涙が出そうになる。

今のお母さんの言葉を言われるのは、せいぜい小学生までだろう。

いや、今の私は小学生より手がかかるのだろうか。

「……ごめんね、お母さん」

「奈々花?」

「っ!ううん、何でもない!本当に大丈夫だよ!」

私はそう言い逃げするように、自分の部屋の扉を閉めた。

夜になり、時計は夜の10時に差し掛かろうとしていた。

私は、そっと電話の発信ボタンを押した。
< 44 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop