頻発性哀愁症候群
「もしもし、菅谷くん?」

「川崎さん、今日は何を話す?」

「あ!私、ちょっとだけ聞いて欲しい話があるの!」

私は、美坂さんにクッキーを貰ったことを菅谷くんに話す。

「え、凄いね。めっちゃ進歩してる」

「進歩してる……のかな?病気の私なんかが話しかけて迷惑じゃなかったかな」

「話しかけるのは自由でしょ。それに俺も少しだけ自分の友達と話すのを楽しむことにした」

「そうなの?」

「うん、寂しさを紛らわすだけじゃなくて、ちゃんと毎日を楽しもうと思って」

「……菅谷くんは凄いよね」

「そう?」

「うん、いつもちゃんと進もうとしてる。自分で出来ることを考えて、私にも前を向かせてくれる」

「それは川崎さんもじゃない?川崎さんが頑張ってるのを見てるから、俺も頑張れるんだ。一人だったら、もっと足踏みしてたと思う。それに俺とこうやって話してくれるだけで本当に助かってるし」

「菅谷くん、私、菅谷くんと話すの楽しいよ。きっと病気じゃなくても、菅谷くんと話したいって思ったと思う」

「……」

「菅谷くん?」

「川崎さんもちゃんと凄いよ。俺も今、勇気出た」

頻発性哀愁症候群じゃなかったら、私達はきっと話すこともなかった。

もし病気が良くなる時が来ても、私たちは話しているのだろうか。
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