頻発性哀愁症候群
菅谷くんとの電話をスピーカーに変えて、私はベッドの上のぬいぐるみを抱きしめる。

もし先に菅谷くんだけ病気が良くなったら、私はどうなるの?
 
相手のことを思えない、自分のことしか考えていない、そんな考えが湧き出てくる。


「私、最低だ」


「川崎さん?」


こぼれ落ちた言葉は、菅谷くんに届いてしまう。


「あ……違うの!何でもない!」

「川崎さん、ちゃんと言って。隠し事しないで。もう俺たちは一緒に病気と戦ってる仲間なんだから」


「……違うの。私、そんなこと言ってもらう資格ない……」


私は、醜い心の声をポロポロと話してしまう。

「置いていかれるのが怖いの。菅谷くんだけ前に進むのが怖い……って思ちゃったの。私が最低なだけ。本当にごめんなさい」

私の震えた声での告白に、菅谷くんはあっけらかんと答えた。
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