頻発性哀愁症候群
「そろそろ電話して一時間か。川崎さん、俺、そろそろ切るね」

「うん、ありがとう。あ!菅谷くん」

「ん?」

「本当に部活のこと応援してるから。もう、私は大丈夫」

「うん、ありがと。おやすみ、川崎さん」

「おやすみなさい」

 電話を切った後、私はぬいぐるみと手を繋いで、ぬいぐるみに話しかける。

「自分のペースって何だろう?」

部活や人との交流をして、寂しさを和らげるのが菅谷くんのやり方。
 
じゃあ、私のやり方は?
 
一番、「寂しい」が和らいだのはどんな時だろう?
 
その時、あの夢が頭をよぎった。


「大好きよ、奈々花。寂しくなんかないわ。お母さんとお父さんは奈々花が大好きだもの」


丁度、玄関の扉が開く音がする。玄関に行くと、お母さんが帰ってきていた。
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