頻発性哀愁症候群
私がじっと見つめているのがバレたのか、菅谷くんがこちらに視線を向けた。私は慌てて目を逸らしたが、もう遅い。 

「川崎さんもおはよう!」

菅谷くんが私に近づいてくる。菅谷くんは誰にでも優しいし、誰にでも明るく話しかけることが出来る。

私は急いでぬいぐるみから手を離し、スクールバックから手を出した。

「お、おはよう……」

菅谷くんに挨拶を返すその瞬間も私は寂しくて堪らない。

手を握り締めて、時間が過ぎていくのを待つ。

「川崎さんって、どの中学から来たの?」

菅谷くんは、さらに私に話しかけてくる。その間も症状は強くなっていく。



寂しい。誰かに(すが)ってしまいたい。誰か私と手を繋いで。



これ以上は良くない。
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