頻発性哀愁症候群
急いで、お母さんに電話をかける。

「もしもし、お母さん?」

「奈々花?」

「寂しい。寂しいの」

泣きながら、そう話す私にお母さんは決まった言葉を繰り返す。

「大丈夫よ。大丈夫だから。お母さんは奈々花が大好きよ。寂しくなんかないわ」

お母さんはいつも症状が出た私にその言葉を繰り返してくれる。

母は優しくて、子供想いの人だった。きっと病院の先生に聞いたり、ネットで調べて、一番症状が落ち着く言葉を探してくれているのだろう。

それでも、時間はもう朝の八時を過ぎていた。

「ごめんね、奈々花。お母さんもう仕事が始まるわ」

「うん、分かってる。急に電話をかけて本当にごめんなさい。もう切るね」

少し落ち着いた症状がまた酷くならないように、スクールバッグからぬいぐるみを取り出して……あ、そうだ。
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