頻発性哀愁症候群
バッグは教室に置いたままだ。
 
私は仕方なくしゃがんで、自分を抱きしめるようにうずくまった。

「大丈夫。寂しくないよ」

そう自分で自分に言い聞かせる自分が酷く滑稽《こっけい》に感じる。
 
その時、誰かが空き教室のドアを開ける音がした。

「川崎さん?」

振り返ると、菅谷くんが立っている。

「心配で保健室に行こうと思ったら、空き教室に川崎さんが見えて……大丈夫?動けないくらい体調悪い?」

菅谷くんが心配そうに私の顔を覗き込んでいる。
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