青い青い空
視線を手元に落とした私は、無意識の間にグラスの氷をストローで突いてた。
「……恋しくなった?」
「そうかもしれません」
「マジか」と素直に返ってくる反応に、無意識に返事をしたことを少しだけ後悔した。
この手の話題は避けたいと思い、慌てて何かないかと頭を巡らす。
「実は先日、雪ノ平先生にお会いしたんです」
「雪ノ平?」
「野田さんは多分ご存じですよね。一石さんの弟さんの」
「ああ、快慶か」
「はい。それで、彼と【青い空】のことで少し話をしまして」
彼は、古葉龍青自身の話と【青い空】を耳にして以来、喫茶店の女が持ってきたというこの物語の続きがずっと気になっていたらしい。
それもそのはずだ。あの頃古葉を担当していたのは、他でもない彼の兄である一石だったのだから。
「あいつも知りたがってたからな。話してやったのか?」
「私の一存で勝手に話すことはできないので、一石さんに確認を取ってからと」
「相変わらず馬鹿真面目だな」
「馬鹿は余計です」