青い青い空

「いい子ちゃん回答求めてねえんだよこっちは。言わねえとわかんねえぞ。せっかくこんなところに連れてきたのに、ここで吐かないでいつ吐くんだ」

「……失望されたくないんです。一石さんに」

「のわりには随分と好き放題したって聞いたぞ今朝」

「全部ご存じなんじゃないですか」

「つっても逆に俺は、お前があいつに失望してないことに驚いたけどな」

「どうしてですか?」

「逃げ回ってんだろ? 避けてる自覚はあるっぽかったぞ」

「それについての確信はなかったので、今心が痛いです」



 ――でもね、私は知ってるの。


“大丈夫大丈夫。俺が絶対。絶対君を、守ってみせるから”


「一石さん、約束してくれたんです」


 怖いのもある。失望されたくないのも。

 でも一番の本音は、無理をして欲しくないと言うこと。それだけ。



「一石さんのこと、信じてますから」


 濁したのも避けているのも、ちゃんと理由がある。その理由がもしも、仮に、何かを守るためなのだとしたら。他でもない自分が、彼の意にそぐわないことをしてはいけないと思うから。


< 163 / 658 >

この作品をシェア

pagetop