青い青い空

 苦笑を浮かべていると、何故かデコピンが飛んできた。やさしくしてくれたのか、全く痛くはなかったけれど。


「どうしてこういう言葉を鵜呑みにはしないんだ」


 目の前の彼は少しだけ、怒っているように見えた。


「オレが知ってる君は、流石にここまでじゃなかったはずだけど。謙遜も度が過ぎると苛々する」

「す、すみません」

「でも君の場合は、謙虚なんかじゃなく本気で言ってるんだろうから、苛々通り越して腹が立つんだけど」

「か、重ね重ねすみません」


 再びうーんと頭を抱えてしまった由良野に深々と頭を下げるけれど、落ちてくるのは深いため息だけ。


「ダメだ。正直オレの手に負えない」

(申し訳なさ過ぎる)

「てことで、そんな君でもまるっと受け止められる人に、オレは全部丸投げしようと思います」

「はい? どういう意味で」


 顔を上げると、そこにあった顔は、少しだけ寂しそうに笑っていた。


「その人だったら、君が上の空になってる理由もわかるのかもね」

「……あの、由良野さ」

「ま、何かあればいつでも相談に来たらいいよ。君と話す時間は無駄じゃないから」

「……わかりました。では、機会があれば」

「それない時に言うやつじゃね?」

「そんなことないですよ。ハハハ」


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