青い青い空



 それからは、何てことない話をした。

 今日のお昼は何を食べたのかとか。風が冷たかったから、近々雪が降るかもねとか。最近みんなが少し変なんだよねとか。魔法使いがサイコパスになった話とか。

 昨日言ってたのってさっきの話? とか。やっぱり、正社員になる話は断ろうと思うとか。

「なんで」と言われて、喫茶店続けたいからと素直に答えた。弟はただ、「いいんじゃねえの」と笑ってくれた。


「――はい。……はい。わかりました。ありがとうございます。……失礼します。おやすみなさい」


 脱衣所から出ると、てっきり部屋に戻ったと思っていた宵が、こたつでテレビを見ながらくつろいでいた。

 まだ起きてたんだねと言うと、テレビに集中していたのか「おー」と適当な返事が返ってくる。

 たったそれだけのことが、今までの冷たい態度を知っているからこそ何とも言えない。かわいいというか、愛らしいというか。


「あ。そういやハイパーカップあるけど、食う?」

「是非いただきましょう」


 どや顔でカレースプーンを二本手に持つと、「いや、俺はいらねえから」と断られた。残念。


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