これが恋じゃないとしても
ボタンを受け取る時、ほんの一瞬だけ、初めて手と手が触れた瞬間⋯⋯何故だか、どうしようもなく切なくなった。
(バカだな⋯⋯。俺みたいな奴を尊敬なんて、オマエの未来はろくなもんじゃない⋯⋯)
そんな言葉を飲み込み、
「じゃ、元気でな!」
俺はそう言うと、今西に背を向け、さっさと歩きだした。
今西が何か言ったようだが、それは周りの声にかき消されて判らなかった。
まだ、この辺りには人も多いから、ポーカーフェイスを崩せない。
商店街のアーケードを通っていると、有線かラジオか知らないが、大昔の卒業ソングが流れている。
今だけはそんな歌、やめてほしい⋯⋯余計に切なくなる。
商店街を抜け、河川敷まで行くと、もうひとけはなくなっていた。
大股でツカツカと歩く俺の頬を、あとからあとから、涙が伝ってゆく⋯⋯。
これが何の涙かは判らない。
判りたくもない⋯⋯。
ふと、さっきの流れていた卒業ソングの歌詞が頭をよぎる。
俺は、今西からもらったボタンを、力いっぱい、青空の彼方へと投げ捨てた⋯⋯。
(バカだな⋯⋯。俺みたいな奴を尊敬なんて、オマエの未来はろくなもんじゃない⋯⋯)
そんな言葉を飲み込み、
「じゃ、元気でな!」
俺はそう言うと、今西に背を向け、さっさと歩きだした。
今西が何か言ったようだが、それは周りの声にかき消されて判らなかった。
まだ、この辺りには人も多いから、ポーカーフェイスを崩せない。
商店街のアーケードを通っていると、有線かラジオか知らないが、大昔の卒業ソングが流れている。
今だけはそんな歌、やめてほしい⋯⋯余計に切なくなる。
商店街を抜け、河川敷まで行くと、もうひとけはなくなっていた。
大股でツカツカと歩く俺の頬を、あとからあとから、涙が伝ってゆく⋯⋯。
これが何の涙かは判らない。
判りたくもない⋯⋯。
ふと、さっきの流れていた卒業ソングの歌詞が頭をよぎる。
俺は、今西からもらったボタンを、力いっぱい、青空の彼方へと投げ捨てた⋯⋯。