これが恋じゃないとしても
なんだよそれ⋯⋯。

俺は全く知らない話だ。

いや、どうして俺が今西の全てを把握する必要がある?

俺たちは、恋人とは対極な関係にあって、友達と呼べるかすら怪しいぐらいなのに。

まさか、俺が今西に恋をしているとでも?

いやいや!それはあり得ない。

どう考えても、あり得ない。

俺たちは、単なるクラスメイトで、互いに制服姿しか知らない者同士だ。

しかも、いつも冷たくあしらったのは俺のほう⋯⋯。

今西の制服の第2ボタンがないことに、おもむろに気付いた。

きっと、彼女にあげたのだろう。

「よかったな。ま、早々にフラれないよう、せいぜいうまくやれよ」

「うん、頑張るよ。あ、そうそう!」

そう言って、今西は第1ボタンをちぎり、俺に渡そうとする。

「⋯⋯なんだよ、これ?」

「俺にとってショウちゃんは、いちばん尊敬してた人だから⋯⋯」
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